宇宙大規模構造進化研究部門│愛媛大学 宇宙進化研究センター

X線観測衛星を用いた研究

X線はエネルギーの高い電磁波で、宇宙の中でも特に温度の高いところから放射されています。

わたしたちは、X線を使って宇宙の活動的な姿を明らかにしようとしています。

銀河中心核巨大ブラックホールの構造・形成・進化の研究

  多くの銀河の中心には、太陽の100万倍から10億倍の質量を持つ巨大ブラックホールが存在しています。そのうちの一部では物質がブラックホールに落ち込み、重力エネルギーを解放することでブラックホール周辺のガス円盤が明るく輝いています。これを、活動的銀河核(Active Galactic Nuclei; AGN)とよびます。

 X線でAGNを観測することで、巨大ブラックホール周囲のガスの構造・巨大ブラックホールの形成進化過程を研究しています。また、大量のガスに覆われて隠されている巨大ブラックホールや、大量に物質が落ち込み質量が急激に増加している巨大ブラックホールなどを見つけ出そうとしています。


銀河内の高エネルギー天体の研究

 銀河の中には、ブラックホールや中性子星などX線で輝く天体がたくさん存在しています。これらの天体は星の進化の末に作られたものです。このようなX線天体の性質を調べることで、その銀河が星を形成してきた歴史を研究しています。また、このような天体と、銀河の中心にある巨大ブラックホールの形成とのかかわりを研究しています。

 

可視光で見たM51銀河 (ハッブル宇宙望遠鏡)

可視光で見たM51銀河 (ハッブル宇宙望遠鏡)

X線で見たM51銀河 (チャンドラ衛星)

X線画像にたくさん見える点状の天体はブラックホールか中性子星、

赤く広がっているのは温度数100万度の高温ガス。

この銀河の中心には、大量のガスに覆われた巨大質量ブラックホールがある。